まさに憧れのEV!最新技術と遊び心満載のテスラで味わう極上のドライブ体験。
未来の利用者に有益な情報をお届けする連載「賢者のカーシェア術」。この度はAnyca大好き「R」吉田の実体験をご紹介します。
テスラに見る電気自動車時代
今から16年前の2003年、この世に新しい自動車メーカーが誕生した。かのイーロンマスクにより生み出された電気自動車メーカー「テスラ」である。
何十年も前から、廃統合を繰り返し、その数を減らしてきた自動車メーカーたち…そんな中で新たな自動車メーカーが生まれるのは異例中の異例である。といった話も数年前であれば、その通りだったのだが、昨今では中国をはじめとする各国で新たな自動車メーカーが、小規模ながら立ち上がっている。
このメーカーたちに共通するのはすべて生産している車両が「新エネルギー車両」…つまりEVをはじめとする電動車両であるということだ。
内燃機関車(エンジン車)に比べシンプルな構造であるEV。
EVであれば、自動車業界への参入障壁であった「内燃機関及びそれにまつわる制御技術の開発」といった要素がなくなる。
このため、新たな自動車メーカーがいくつか立ち上がることになったのだが、テスラもそんな電気自動車メーカーの一つであり、その先駆者である。
まさに現代の自動車を象徴するともいえるテスラだが買うとなると1000万越えの高額車ばかり(最近やっとモデル3が導入されるようだが…)、なかなか一般人に手の出る車ではない…
そこでAnycaの出番である。
1000万越えのテスラはAnycaで乗れるのか
テスラに乗ってみたい…
現代のクルマ好きであればそんな欲求にかられるのは不思議ではないはずだ。
そこで早速テスラを探して見る….あった!
43台もある!北は北海道、南は福岡まで…モデルSもモデルXも..さすがAnycaである。
出発場所も車種も値段も、十分に選べる数だ。
“今回”の相棒はテスラモデル“X”
「今回の相棒」に選んだのはテスラモデル“X”
テスラには現在までに生産を終了したモデルも含めると、4つのラインアップがある。
始めに誕生したツーシーターオープンカーの「ロードスター」。
テスラの名前を世に知らしめたセダン型の「モデルS」
ファルコンウィングを持つSUV型「モデルX」
より市場を広げるために誕生したコンパクトサイズセダン「モデル3」
ロードスターは生産を終了した上に希少モデル…モデル3に至っては日本ではまだ納車されていないので、存在しない。
必然的に選択肢はモデルSかXであるが、今回はより「テスラ体験」をお届けするために、様々な「面白機能」を搭載したモデルXを選んだ。
2015年に誕生したクロスオーバーSUV「モデルX」。
3列シートとなっており、最大7人乗れるモデルが存在する。
その見かけはSUVというより車高高めのミニバンといった感じだ。
何よりも特徴的なのが、後部ドアの「ファルコンウィング」だ。
ガルウィングのように上部に跳ね上がるファルコンウィングだが、中間で一節あり開くときはまるで隼が羽を広げるような動作をする。
その最大航続距離は最大505㎞(WLTP値、最新モデル)、普通に購入できる電気自動車ではTOPクラスである。
この航続距離を生み出すために、かなり大きめのバッテリーを積んでいることもあり、ボディは全長5036㎜、全幅2070㎜とかなり大型だ。
とにかく威圧感がスゴイ。
テスラならではのドライブ…様々な利点
今回は目黒でシェアできる黒のモデルXをチョイス。
受け取りを済ませ、意気揚々と早速走り出す…があいにくの雨である。
高速に乗り始めると視界が悪くなる、全幅が2mを超える車の運転はいささか不安だ。
だがテスラであれば心配ない、高速道路で使える自動運転モードがあるからだ。
テスラの自動運転モードは非ナビ連動型、同一車線全車速対応ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)である(つまり同一車線であればずっと前の車を追って走る)。
車線変更もウィンカーを出せば前後の状況を判断して自動で行う。
多少視界が悪くても、自動でクルマが対応してくれる…なんとも頼もしい。
最初の目的地は甲府にあるテスラスーパーチャージャー。
到着するころには雨も上がり、晴れ間が見えてきた。
6基もあるスーパーチャージャーはがらがら。必要ないけど独占状態である。
早速給電を開始して近くのスターバックスで一休みだ。
電気自動車のデメリットに「充電に時間がかかる」というものがある。
確かにこれは急いでいるときにはデメリットだが、きちんと計画を立てれば、こまめに適切な休憩をとれるというメリットでもある。
ガソリン車だと眠くなる限界まで走りがちだが、電気自動車であれば強制的にゆったりとした時間を過ごせる。
休憩中はテスラアプリで充電状況を確認する。
さすがスーパーチャージャー、ものの30分ほどであっという間に80%以上回復した。
ほかの電気自動車ではこうはいかない…これもテスラならではの良さである。
充電を終え、プラグを引き抜くと給電口の蓋が自動で閉まる。
流石、細部までUX(ユーザーエクスペリエンス)を研究されている。
次に行くのは今日の一番の目的「富士スバルライン」である。
富士スバルラインは7月10日から年9月10日までマイカー規制が引かれていて一般車が入れない。
だが、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)であれば、当該期間でも走行できるのだ。
うだるようなアツさの時期に標高2305mの富士五合目までドライブ…ちょっとした避暑である。
重量2トン近いボディを持つモデルXは峠道では苦戦するかと思ったが、500馬力近いモーターがスイスイと巨体を押し上げる。
超重量級の車両にしては、とても運転が楽しい。
5合目付近で撮影をするためにファルコンウィングを開く。
すると周囲がざわつき写真を撮り始める。
勝手に写真を撮るのはご遠慮願いたいところだが、何とも鼻高々な気分である。
1000万クラスの高額車両というのもあるが、その特徴的なデザイン、ギミックはとても注目を集める。
ここで面白い機能があるのでいろいろ試してみたい。
まずはサモンモードだ。
Summon…英語で召喚という意味なので、直訳すると召喚モードだが、これは運転席に座っていなくても、クルマを前後させるモードだ。
これを使えば、少し車と一緒に散歩ができる夢のモード…じゃなくて本来的には狭い駐車場から車を出すための便利機能である。
お次は「踊るテスラ」だ。
このモードはただのお遊び機能で、便利なことは一つもない。
ある手順に従って、テスラを操作すると、大音量の音楽とともにテスラがドアをばたばたさせながら踊る….なんとも可愛いお遊びモードである。
気になる人は是非「踊るテスラ」で検索、動画を見てほしい。笑える。
最後におもちゃ箱である。
テスラに乗ったことがない方々からは馬鹿にしているのかといわれそうだが、本当に付いているのだ。
メニューからおもちゃ箱を選ぶと、007のエスプリや暖炉、トナカイ、ブーブークッションなど様々なアイコンが表示される。
いくつかピックUPして紹介しようと思う
・ブーブークッション
ブーブークッションをタッチすると排ガステストモードなるモードが起動する。
起動中はハンドルについている左のクイックホイールを押し込むと、助手席からオナラ音がする。助手席の同乗者からすると悪魔のいたずらモード。
しかもオナラサウンドが何種類もある…遊び心がおもしろい。
・暖炉
テスラのセンターコンソールのモニターに暖炉が表示される。
サウンドもパチパチ…といったリアルな蒔きが燃えている音がする。
火にはリラックス効果があるらしい…癒しモードである
・マーズモード
地図が火星になる。自車位置は火星探査ローバーに…道もない、ひたすら荒野が広がる。何のために….
一通り機能を楽しんだら富士スバルラインを下る。
下りは、回生ブレーキで残電気量が減るどころか増えていく。
登りは燃費が悪く、残走行距離が不安になるが、帰りはきちんと回復してゆく。これもEVの面白いところだ。
下山するころにはランチの時間だ。
やはり山梨と言えば「ほうとう」である。
スバルラインからほど近い、「小作」で一息。
充電ポイントがないので、充電ができないが、次の目的地「六本木スーパーチャージャー」までは十分な蓄電量があるので問題ない。
大きなバッテリーはこういう時に頼りになる。
帰りの東名高速道路はうんざりするほどの渋滞だ。
ドライバーならだれもが経験したことがあると思う。東名の帰宅ラッシュだ。
少し進んでは停車の繰り返し、ATのクルマでもうんざり、MTだったら左足が悲鳴を上げる。
でもテスラなら苦痛はほとんど感じない。
往路でも活躍した自動運転は、全車速対応型のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)だ。
渋滞にはまっても、前の車をずっと追従する。
勝手に止まって、勝手に走り出す。
自らはハンドルに手を添えるだけである。
いつの間にか渋滞を抜けると、六本木スーパーチャージャーにつく。
六本木スーパーチャージャーは六本木ヒルズ下グラントハイアット東京のバレーパーキングエリアにある。
ランボルギーニ、フェラーリ、ベントレー…超高級車が並ぶバレーパーキングエリアに自分もテスラを止め給電する。
充電中はリッチな雰囲気漂うハイアットのラウンジでくつろぐもよし、周辺で夕食を食べてもいい。
セコイ話だが、充電は30分以内では無料だが、それ以降は駐車料金が発生するので注意だ。
充電を終えると東京の夜景を見るためにクルマを走らせる。東京タワー、首都高…東京は夜景を楽しむのに事欠かない。
こんな瞬間もモデルXはちょっとだけ役に立つ。
モデルXのフロントウィンドウは、シトロエンのゼニスウィンドウのように、とても大きく、フロントボンネットの後端から、前席上部まで続いている。
この巨大なフロントウィンドウがあれば、文句を言われることなく、夜景を楽しめる。
お別れの時間…
夜景を見るために首都高をぐるり。
それを終えると返却の帰路につく。
返却場所につき、オーナーに鍵を返す、カーシェアリングならではの寂しい瞬間だ。
だが、今回は最新テクノロジーを知れるいい機会となった。
皆様もクルマの未来を感じてみたい、なんて思うのであれば、是非このテスラモデルXに乗ってほしい。
【ライター吉田さんプロフィール】
若者の車離れのが叫ばれる今では珍しい車好きの若者。
免許を取ってそろそろ7年、今までに、Anycaやレンタカーなどで370種類ほどの車に乗るほど、とにかく乗り物を愛す。
「車はシェアやレンタルがいい、いろいろな車を味わえる。これが現代の車好きの在り方だ」と断言していたにもかかわらず、33回のシェアを経て、ついに車を購入。
愛車はジャガーxj。 普通自動車、牽引免許、船舶免許、二輪免許を所有。